犬舎とは?

シェルティ
一般的に「犬舎」とは、ブリーダーや保護施設、犬の訓練所などにおいて、犬を飼育している場所全体のことを指します。

動物愛護法により、生体販売においては、購入者に販売する動物を直接確認してもらうこと、対面により飼育方法や生年月日など必要な情報を説明することなどが販売者に義務付けられています。

そのため、ブリーダーから直接犬を迎えることを検討する場合、ブリーダーのもとに行き、気になっている犬を確認する必要があります。このことを「犬舎見学」と呼びます。

遠い犬舎だと少し手間に感じるかもしれませんが、「子犬の産まれた場所に行き、直接ブリーダーの話を聞くことで安心して犬を迎えることができた」と感じる飼い主さんも多いものです。
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血統証明書には犬舎名が入っている

血統書
ブリーダーが、JKCなどの血統証発行団体に血統証明書を発行してもらう場合、まず団体に入会登録をする必要があります(犬舎登録)。ブリーダーは、犬舎の屋号を血統証発行団体に登録しますので、血統証明書の犬名には、生まれた犬舎の登録屋号が記載されます。
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気になる子犬を見つけたら犬舎見学を申し込もう

犬舎はペットショップと違い、なんとなく「かわいい子犬を見に行きたいから」という理由で見に行くことはできません。
実際に犬たちが生活する場なので、ストレスやウイルス感染のリスクを最小限にするべきなのです。

また「犬舎見学」といっても、犬舎によって見せてもらえる場所は異なります。犬の飼育スペースやバックヤードをすべて見せてもらえるわけではないということを、念頭に置いておきましょう。

子犬お迎えサイトでお気に入りの子を見つけ、迎えようか迷っているときには、犬舎見学を申し込みましょう。子犬の様子をしっかりと確認し、気になったことや疑問点をブリーダーに聞いて、納得したうえで子犬を迎えることをおすすめします。

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犬舎見学時のマナー

トイプードルの子犬

事前予約をしていこう

子犬お迎えサイトで気になる子犬を決めたら、ブリーダーに犬舎見学の予約を入れます。
サイト内のフォームから見学予約や問い合わせをするとスムーズです。

見学前に子犬についてブリーダーに確認したいことがあれば、気軽に問い合わせてみましょう。
また、予約した日に行けなくなってしまった場合は、キャンセルの連絡を入れるのがマナーです。

見たい子を決めて行こう

犬舎では子犬の健康に配慮し、見学予約した子犬だけを見せてくれることが一般的です。きょうだい犬などほかにどうしても見たい子がいるときは、予約時に相談しましょう。

また、親犬を見せてくれるブリーダーもいます。将来の子犬の姿をイメージするために親犬を見たいという場合は、問い合わせの際にお願いしてみましょう。
ただし、ブリーダーは犬の健康を第一に考えています。産後まもなくで、体調が優れない、神経質になっているなどの理由で見ることができない場合もあります。

見学は一日一件まで

感染症予防のため、犬舎見学は一日一件までにしましょう。
人の出入りが激しいペットショップなどと、はしごするのもNGです。

先住犬を勝手に連れて行かない

「先住犬との相性を見たい」と考える飼い主さんも多いようですが、犬舎に無断で先住犬を連れて行くのはやめましょう。
しかし、問い合わせのうえであれば認めているブリーダーも一部いるようですので、どうしても連れて行きたい場合は事前に相談してみてください。

子犬や親犬の状況に配慮を

見学時はブリーダーの話をよく聞いて、面会時に子犬や親犬に負担を与えないようにしましょう。
お子さんも連れて行く場合は、大きな声をあげたり、走り回ったり、子犬を怯えさせたりすることのないように気を付けなくてはいけません。

犬舎見学の流れ

犬舎

犬舎案内

犬舎によって見せてくれる場所は異なります。犬を飼育しているスペースを見せてもらえることは、犬の感染症予防の観点からそれほど多くはないようです。しかし、普段犬を遊ばせている庭などの場所などは見せてもらえることが多いです。

多くのブリーダーは、自宅兼犬舎または自宅の離れに犬舎を作っています。
自然に囲まれているような郊外型の犬舎では、大きな犬舎や広いドッグランなどを有するケースもありますが、住宅地にある犬舎などでは、自宅の一室や庭を利用しているケースも少なくありません。

チェックすべきポイントは、全体的に清潔で、きちんと管理されているかどうかです。犬たちをどのように管理し、過ごさせているのかをブリーダーに問うことは、失礼には当たりません。

ただし、自由にあちこち見せてもらえないからといって「悪質ブリーダー」と決めつけるべきではありません。免疫力の低い子犬を守るため、見学スペースを制限しているブリーダーもいることを覚えておきましょう。

子犬との対面 

待ちに待った子犬との対面です。ブリーダーのアドバイスに従って見学しましょう。
子犬をしっかり観察して、気になることはブリーダーに尋ねるチャンスです。

子犬は寝ている時間も多く、見学時に万全のコンディションでないこともあります。念のため普段の様子をブリーダーに聞いてみるといいでしょう。
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親犬との対面

親犬を見せてもらえる場合は、子犬とは別な場所で個別に見せられることが多いでしょう。

出産後の母犬の健康を配慮して見学の可否は判断されます。親犬を見せてもらえない=「信頼できない」と判断するのは早計です。
親犬を見ることができない場合は、写真を見せてもらったり、特徴について詳しく教えてもらうといいでしょう。

ブリーダーから質問されることも

ブリーダーにも、「大事な子犬を信頼できる人に育ててもらいたい」という気持ちがあるものです。飼育スペースやライフスタイルについて、逆にブリーダーから質問を受けることもあるかもしれません。
そんなときは、飼育のプロにアドバイスをもらうつもりで、お世話の仕方について積極的に相談することをおすすめします。

成約・相談

見学を終えた後は、子犬を迎えるか、再度検討するか、ブリーダーに意思を伝えます。
見学をしたら、必ずお迎えしなくてはならないわけではありませんが、後日回答を出す場合は、いつごろまでに返事をするかは伝えたほうがいいでしょう。
そして検討の結果、お迎えを見送るとなった際も、一言ブリーダーに伝えるようにしましょう。

子犬の成約(譲渡先の確定)は、ブリーダーによって異なります。予約金を支払った順や見学順など、さまざまなパターンがあるので、ブリーダーに聞いてみるのがおすすめです。

※子犬の代金の一部を予約金として支払い、成約とするケースが多いです。

お迎え

生後56日を過ぎている場合、法律上は、見学当日に連れて帰ることが可能です(8週齢規制)。ただし、子犬の負担を考慮し、見学日とお迎え日は別日で設定しているブリーダーもいるので、よく確認しておきます。
また、自治体の規定や犬種によっては例外もあります。

※天然記念物に指定されている日本犬のみを飼育する犬舎については、ブリーダーからの直接購入に限り規制の基準が異なる場合があります。しかし、このケースについても、自治体やブリーダーによって対応が異なりますので、やはり犬舎への事前確認が必須です。

また、お迎え時にブリーダーに次のようなことを確認しておくとよいでしょう。

フード

これまで与えていたフードの種類と量、与える時間をブリーダーに聞いておきましょう。お迎え直後はできるだけ、いままでの生活スタイルに近づけると安心です。

予防接種・健康診断

予防接種や健康診断は、迎えるタイミングや犬舎の方針によって、済ませている場合と、これからの場合があります。大切なことなので、きちんと確認しておきましょう。
これらにかかる費用は、子犬代に含まず別途請求されることもあります。予防接種が済んでいる場合は、予防接種証明書をもらいます。

お気に入りのグッズ

これまで使っていたおもちゃや毛布を、ブリーダーから譲ってもらえることもあります。自分のにおいのついたものを持ち帰ることで子犬を安心させてあげられるかもしれません。

トイレトレーニングの有無・トイレグッズ

トイレトレーニングをしてくれているブリーダーもいます。今まで使っていたトイレグッズはどんなものか、どのくらいトレーニングがすすんでいるか、子犬のトイレ事情について詳しく聞いておきましょう。
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まとめ

持ち上げられる子犬
いかがでしたか。犬舎見学の流れとマナーについてご紹介しました。犬舎見学は、子犬の状態を見るためだけでなく、信頼できるブリーダーかどうかを見極めたり、犬種や飼育に関する情報を得たりすることができる貴重な機会です。
気に入った子犬を見つけたら、ぜひ足を運んでみてくださいね。
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